8月も終わりに近づいてくると、
「最近、なんとなくやる気が出ない」
「理由はないのに気分が沈む」
「朝起きても疲れが残っている」
「何をするにも少し面倒に感じる」
そんな声を聞くことがあります。
夏休みが終わるからでしょうか。
暑さに疲れたからでしょうか。
もちろん、それもあると思います。
でも、こういう時に少し知っておいてほしいのは、
気持ちが弱くなったから、しんどくなっているとは限らない
ということです。
むしろ身体のほうが先に、
「そろそろ休みたいよ」
と知らせているのかもしれません。
夏の身体は、思っている以上に頑張っています
真夏の暑さ。
屋外では35℃を超えるような気温なのに、建物の中に入れば冷房が効いている。
暑い場所と涼しい場所を一日のうちに何度も行き来します。
夜になっても気温が下がりきらず、眠りが浅くなることもあります。
食欲が落ちたり、冷たいものを摂る機会が増えたり、夏休みやお盆で生活のリズムが変わったり。
私たちは普段、こうした変化をそれほど意識していません。
それでも身体は、そのたびに環境に合わせようとしています。
暑ければ汗をかく。
冷えれば熱を逃がさないようにする。
眠れなければ、少ない睡眠の中でなんとか翌日を動こうとする。
つまり夏の身体は、
何週間もの間、ずっと小さな調整を続けている
とも言えます。
頑張っている最中は、疲れに気づけないことがあります
忙しい時には平気だったのに、仕事が一段落した途端にどっと疲れが出た。
そんな経験はないでしょうか。
人の身体には、必要な時には頑張れるようにしてくれる働きがあります。
だから、暑い夏を乗り切っている間は案外元気だったのに、
少し季節が動き始めた頃になって、
「なんだかしんどい」
と感じ始めることがあります。
これは必ずしも、急に調子が悪くなったということではありません。
それまで感じる余裕のなかった疲れを、ようやく感じられるようになったとも考えられます。
すみきりやでは、こういう身体の反応を、
単純に「悪いもの」とは考えていません。
むしろ身体が、
今まで頑張ってきた分を、そろそろ緩めてもいいよ
と知らせ始めているのかもしれません。
「元気にならなきゃ」と、さらに頑張っていませんか?
気分が落ち込んでいる時、
「もっと前向きにならなきゃ」
「こんなことで疲れていてはいけない」
「みんな普通にやっているんだから」
と、自分を奮い立たせようとする人も多いと思います。
もちろん、それで動ける時もあります。
でも、すでに頑張り続けて疲れている身体に、
さらに「頑張れ」と言い続けたらどうでしょう。
アクセルを踏み続けてきた車に、
「まだ走れるでしょう?」
と言っているようなものかもしれません。
こういう時に必要なのは、
新しい自分になるための努力ではなく、
一度、余計な力を抜いてみること
だったりします。
それは、あなたが弱くなったわけではありません
人はそれぞれ、
これまでの人生の中で身につけてきた「頑張り方」があります。
人に迷惑をかけないようにする。
期待に応えようとする。
嫌なことがあっても笑っておく。
弱音を吐かず、自分で何とかする。
それらは、その時の自分にとって必要だったから身についたものです。
だから、それを否定する必要はありません。
ただ、
昔は必要だった頑張り方が、今もずっと必要とは限りません。
身体が疲れている時には、
今まで当たり前のように使ってきたその力を、
少しだけ手放してもいい時なのかもしれません。
「変わる」のではなく、「戻る」
すみきりやで大切にしているのは、
「もっと強い自分になる」
ことではありません。
何かを克服して、
別の人間になることでもありません。
身体に入っている余計な力が少し抜けて、
周りの期待や「こうしなければ」に合わせる前の、
自分自身の感覚に戻っていくこと。
お腹が空いた。
今日は休みたい。
これは嫌だ。
これは好きだ。
こっちを選びたい。
本来ならとても単純なはずの自分の感覚も、
頑張る時間が長くなるほど、分かりにくくなることがあります。
だから身体を整えることは、
単に肩や腰を楽にするためだけではなく、
自分の感覚をもう一度受け取りやすくすること
にもつながっていると、私は考えています。
夏の終わりは、少し緩める時期なのかもしれません
もし今、
理由もなく気持ちが沈む。
疲れが抜けない。
何もしたくない。
そんな感覚があるなら、
無理に元気になろうとしなくても大丈夫です。
「どうしてこんなに弱くなったんだろう」
ではなく、
「身体が何かを教えてくれているのかな」
と、少し見方を変えてみてください。
夏を乗り切るために頑張ってきた身体が、
ようやく緩もうとしているのかもしれません。
そして緩んでいく中で、
これまで頑張るために使っていた力が少しずつ必要なくなっていけば、
その奥にあった自分自身の感覚も、また戻ってきます。
何か新しい自分になる必要はありません。
本来の自分に戻っていけばいい。
すみきりやは、
そのために身体からお手伝いをする場所です。
夏の終わりに少し立ち止まりたくなったら、
身体の声を聞きに来てくださいね。
