うきうき、わくわくで始まったはずのふしぎ整体Basic講座。
だったのだが。
師匠は最初からぶっ飛んでいた・・ように感じた。
「まず、おおよそ全ての構造物には”気”が宿ってまして・・」から始まった。
はぁ?( ゚д゚)ポカーン
気??
こんな顔をしていたと思う。
当時のボクは科学教という宗教の信者だった。
1と0で測れないものは存在しない。
そのくせどこまで測ることが出来るのか知らない。
見えるもの以外の存在などありえない。
自分の中の狭い常識だけで生きていて、それから外れるものは科学的じゃないと否定していた。
そんなボクには気というもの=イカサマという図式が出来上がっていた。
師匠は続ける。
「Basic講座ではまず気の感覚をつかむために、手の感性を開いて行きます。続いて目、最後に身体の順です。」
ヤバイ、ホントヤバイ、何言い出したんだこの人??
整体って言うからには身体の構造とかそういう事を学ぶんじゃないの?
感性って何?音楽聴いて感動するとかの話じゃないの?
もう訳がわからない。混乱した。
そんなボクを見越したのかどうかは判らないが、師匠はワークに入る前にある一言を付け加えた。
「出来ると思ってやって下さい。出来ないと思い込むと本当に出来なくなりますから。ウソだと思っても出来ると思って、フリだけでもいいので出来るフリをして下さい。」
それを聞いて我に返るボク。
そうだった。まともな方法で手に入る、まともな手段がロトの剣やエクスカリバーになるわけない。
せいぜいはがねのつるぎだ。フリでいいならいいじゃん。
覚悟を決めて呑み込もう。そう思った矢先。
「あ、それと、一つ大事なことを言い忘れてました。ボクの言う事を鵜呑みにして、信じる事は絶対に止めて下さいね。」
・・・この腹黒メガネは今このタイミングでそれ言うか・・・
そうして始まったふしぎ整体Basic講座、目隠しをしながら光の射すほうを探すような手探り感の中、一つの出会いによって目隠しがほんの少しだけ外れた。