ふしぎ整体Basic講座、3回目の後だったと思う。
目の感性を開く練習として、師匠が持ってきたのは、色紙。
何の変哲も無い色紙を眺めて下さい、と言った。
「目の感性が開くと、色では茶色でも、緑に見えたりすることがあるんですよ。」師匠は言う。
・・・また変なこと言い出したよこの人は。
そうは言われてもさぁ、色紙は色紙で、赤とか青とか色が着いてるだけだよなぁ。と思っていた。
手の感性の練習でもなんとなく判った気がする、程度の手ごたえしか感じられていなかったボクだった。
やるだけやろう、宿題である色紙を一生懸命必死に見ていたボク。
うん。判らん。赤は赤色だ。水色は、水色。
そうこうしていた2日くらい後、ボクは病院にいた。
三男の誕生だった。
帝王切開で予定通りの日程。3人目と言うこともあり、順調にお産は終わり、そこで初めての経験をした。
カンガルーケアだ。
上半身裸になって、すっぽんぽんの三男を抱っこしていた。
あったかいなぁ、ちっこいなぁやっぱり。お嫁さん頑張ったなぁ。そんな事を思いながら抱っこしていた。
そうこうしているうち、最初は眠っていた三男が、何かの拍子でむずがって。
泣き出したので、彼に視線を落とす。
驚いた。”真っ赤”だった。
あ、赤だ。これは色で言えば赤以外の何者でもない、赤だ。
深いとか、薄いとかじゃない。ただただ赤だ。
赤ちゃんって、赤いから赤ちゃんなんだ!
この事だったんだ!
稽古と実体験がリンクして、腑に落ちた。
この感覚を身に付ければいいのか!!
三男がプレゼントしてくれた、目の感性を開く感覚。
今でもはっきり彼の赤さは覚えている。
そこからの稽古は比較的順調だった。
勿論凹んで焦って納得しての繰り返しはあったが。
その旅に思い出した。あの時のあの感覚を追えばいい、と。僕には標が出来たから大丈夫だった。
そこから3年ほど稽古を続けたボクに、待ち望んだ時が来た。